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ことばの五感:飛行機のない空=川野里子 - 毎日新聞

 飛行機がめったに飛ばなくなった。コロナ禍によって世界の空港が閉ざされ、空を飛ぶことが当たり前ではなくなった今、あらためて空を飛ぶとはどんなことだったのかと思う。

・うつせみは或るとき命おとしきや峰づたふ道さびしくもあるか 斎藤茂吉

 昭和四年、斎藤茂吉は初めて飛行機に乗り、その視野から地上をこのように詠んだ。人は山々を縫う細道をひたすら辿(たど)るほかない。時には命さえ失いながら。地を這(は)うように生きる人々の生活の意味が空から再発見された。

 第一次世界大戦後、急速に発達した飛行機は私達の視野を大きく変えた。パイロットであったサン=テグジュペリは『人間の土地』のなかで、飛行機からの視野を「地表の大部分が、岩石の、砂原の、塩の集積であって、そこにときおり生命が、廃墟の中に生え残るわずかな苔(こけ)の程度に、ぽつりぽつりと花を咲かせているにすぎない」とつづる。大地の大部分は乾燥しており、人間が住める土地は僅かだ。この俯瞰(ふかん)図は人間…

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July 14, 2020 at 12:05AM
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