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「一緒にはいないけど、心はつながってる」超特急、5人で立つ横浜アリーナから届けた思い(ライブレポート / 写真18枚) - ナタリー

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超特急が昨日8月8日に神奈川・横浜アリーナで無観客の生中継ライブを実施した。

「The End For Beginning」を披露する超特急。

「The End For Beginning」を披露する超特急。

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自らのファンを8号車と呼ぶことから8月8日を「8号車の日」として、毎年イベントやライブなどを実施している超特急。今年の8号車の日には、WOWOWで8時間にわたる特別番組「超特急 BULLET TRAIN 8th Anniversary Special『超フェス 2020』」がオンエアされ、ライブはこの特番の中で生中継された。

「The End For Beginning」を披露する超特急。

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8号車のいない横浜アリーナでの8号車の日ライブ。5人が1曲目に届けたのは「The End For Beginning」だった。「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning」のために制作されたこの曲は、“始まりのための終わり”をテーマに、道なき道を自分たちらしく邁進していく決意を宣言する力強いナンバー。ユーキが手掛けたドラマティックな振り付けと共に、当時8号車に鮮烈なインパクトを与えたこの曲は「the end for beginning」ツアー以降、約2年半もの間披露されておらず、フューチャリスティックなイントロの音が響いた瞬間から「#WOWOW超特急」のハッシュタグで盛り上がるTwitterのタイムラインには驚き、絶句、歓喜が入り交じる8号車のコメントが怒涛のように寄せられた。

また「The End For Beginning」は、「the end for beginning」ツアーの横浜アリーナ公演のオープニングを飾った楽曲でもある。この横浜アリーナ公演は、開演直前に足を負傷したユーキが気迫あふれるパフォーマンスで可能な限りステージに立ち、残るメンバーが彼の抜けた曲をチームワークでカバーした、超特急にとって忘れ難い公演。当時ユーキは「必ずこの借りは返す!」と約束してステージをあとにしていた。この会場で、1曲目に披露することに大きな意味のある「The End For Beginning」をカメラの向こうへと届ける5人の視線は鋭く、ユーキはメンバーに囲まれながら右手を力の限り宙へと伸ばす。5人は冒頭から鬼気迫るダンスと歌で観る者を圧倒した。

超特急

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“幻の曲”の披露という衝撃の余韻を残す間もなく、続けてドロップされたのは「超ネバギバDANCE」。晴れやかな推進力に満ちたこの曲でタカシは「ボクらはいつでも Over the distance」と歌い、ダンサーはヘン顔と真剣な表情を瞬時に切り替えて、超特急ならではの“ダサカッコいい”魅力を全力で表現した。そのまま「超えてアバンチュール」になだれ込むと、ユーキは「画面の向こうのお前ら! 一緒にヘドバンしようじゃねえか!」と8号車に呼びかける。カイも「皆さん一緒に!」と続き、5人は一心不乱にヘッドバンギング。目の前に8号車がいなくとも、いつもと変わらない煽りで視聴者を引き込んでいった。

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8号車の情緒を大きく揺さぶるような選曲でオープニングパートを駆け抜けた超特急は、観る者の興奮を一層煽るように、ここでこの日リリースの新曲「Dear My グッバイ」を初披露した。生中継のテーマソングとして制作されたこの曲は、ポップでアッパーなサウンドに別れを歌う叙情的な歌詞が乗る、アンビバレントな音と詞が特徴のナンバー。弾けるような笑顔を浮かべた5人はキュートなダンスで元気に飛び跳ね、「伝えきれない感謝」と歌うパートでは両手で8のマークを作ってカメラにその手を差し出す。トラップ調の間奏では一転、シャープなフォーメーションダンスも見せ、楽曲の持つ2面性を巧みに表現した。

短いMCを挟み、カイの「まだまだ楽しんで行きましょう!」という呼びかけからスタートした「#いいね」も、この日が初披露となった楽曲。くしゃっとした笑みで顔をほころばせるカイをセンターポジションに据えた5人は両手をサムズアップさせながらリズムに乗り、あちこちに「いいね!」を振りまくハッピーなパフォーマンスを展開した。ユーキがシャープなダンスで躍動する彼のセンター曲「Beasty Spider」で会場の雰囲気が一変すると、続く「need you」では一輪のバラをキーアイテムに、ぐっと大人びたムードと繊細な感情表現で8号車を惹きつけた5人。ラストシーンでユーキは、静かに目を閉じてバラを手の中に包み込んだ。

超特急

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「need you」を終えてのMCでは、メンバーが初披露の2曲に言及。「Dear My グッバイ」を「ギャップで言うと過去イチの曲」と評したユーキは「別れを明るく吹っ飛ばしていく感じが僕ららしいかな」と語り、カイは「#いいね」について「初めて観た人も踊れたんじゃないですか?」と視聴者に問いかけた。タクヤが「お前らに出会えてホントによかったぜー!」と叫んだ「Don't Stop 恋」では、5人が曲中に生着替えを披露。次々とメンバーの上着を脱がしていったタクヤが、リョウガのズボンを下ろした瞬間に「しばらくメンバーの顔でお楽しみください」と“放送自粛”のイメージ映像が映し出されるという、無観客の中継ライブならではの演出でも8号車を楽しませる。そして「gr8est journey」を皮切りに「WOWOWスペシャルメドレー」で後半に突入すると、ここから5人は一層パワフルなパフォーマンスでライブを盛り上げていく。「バッタマン」ではメンバーがゴーカートに乗り込んで、広大なアリーナエリアを爆走。普段のライブではありえないカーレースに、ユーキは「アリーナの無駄遣いをしております!(笑)」と自ら解説を入れて風を切った。ゴーカートを降りるなりタオルを手にした5人はパーティチューン「浮つきWAVES」を続け、アリーナエリアを大きく使ったタオル回しで夏気分を演出した。

超特急

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メドレーラストの「Drawイッパツ!」で「超特急は負けへんで!」と叫んだタカシは、続く最新シングル曲「Stand up」でもエネルギーに満ちたロングトーンを響かせ、楽曲の持つ晴れやかなムードを増幅させた。「Stand up」を終えたところで、ユーキは「こんな時代ですけど、今だからこそ、今しかできないことを画面の向こうの皆さん1人ひとりに伝えたいと思います。みんながまた安心して、笑える日が来ることを願って。この曲を披露します」と告げる。そして彼は「Peace of LOVE」をタイトルコールした。

超特急

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「The End For Beginning」と同様、久しく披露されていなかった「Peace of LOVE」は、人間愛を歌う優しいミディアムバラード。「笑顔満ち溢れる未来」を祈りながら「ありのままの君でいていいんだよ これからもひたむきに進もう」と訴えかけるこの曲を、ダンサーの4人は感情の機微を繊細に表す柔らかなソロダンスで踊りつないでゆく。ボーカルのタカシは時折声を震わせながらも、言葉の1つひとつに思いを詰め込むような豊かな歌声で、曲の持つ大きなメッセージを画面の向こう側へと届けていた。

「fanfare」のパフォーマンスの様子。

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番組のエンディングではメンバーそれぞれからのリクエスト曲がセットリストに組み込まれていたことが明かされ、ユーキはこの日のライブについて「一緒にはいないけど、心はつながっているというライブができたんじゃないかな」と語った。超特急のこれまでとこれからをしっかりとつなげながら、この日パフォーマンスした1曲1曲を通して“心のつながり”を訴えた5人が最後に披露したのは「fanfare」。メンバーがパフォーマンスする背後に置かれた大きなビジョンには、SNSで8号車から募った動画が無数に映し出され、8号車からの多種多様な“ファンファーレ”を受け取った5人は思わず顔をほころばせる。「みんな本当にありがとう!」と感謝を伝えたタカシは、最後に「俺たちは絶対に負けへんから!」と力強い叫びで8号車に約束。画面に映るたくさんの笑顔に見守られながら、5人はこの日のライブを締めくくった。

超特急「超特急 BULLET TRAIN 8th Anniversary Special『超フェス 2020』」2020年8月8日 セットリスト

01. The End For Beginning
02. 超ネバギバDANCE
03. 超えてアバンチュール
04. Dear My グッバイ
05. #いいね
06. Beasty Spider
07. need you
08. Don’t Stop 恋
09. gr8est journey
10. バッタマン
11. 浮つきWAVES
12. Drawイッパツ!
13. Stand up
14. Peace of LOVE
15. fanfare

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撮影:米山三郎、笹森健一

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