Bリーグが最も盛り上がるCS(チャンピオンシップ)は、新型コロナウイルスの影響で残念ながら全日程を消化することは叶わなかった。
CSは競技としてのクライマックスであると同時に、各チームがホームアリーナに創り出した“スポーツエンターテインメントの総決算”でもある。各チームがどんな想いを込めてあの時間を創ってきたのかは記憶される価値がある。
全3回の短期連載シリーズ、第2回は宇都宮ブレックスの作り上げる夢の空間について。
世界の多くの国で黄色は太陽を表わす。太陽のようにまぶしいアリーナは、みんなの心を照らす。
宇都宮ブレックスが最後にCSをホームで戦った2019年の4月26日、田臥勇太はこう話した。
「もう、楽しいですね~。遠藤(祐亮)とも話しましたけど、朝アリーナに来てシューティングしたときにも、スタッフ陣が頑張ってくれてGIVEAWAY(無料配布)のTシャツを置いてくれていて、会場が“真っ黄色”だったので……。
『おぉ、いよいよ始まるな』という気持ちにしてくれました。やはり、雰囲気が違いますよね。気が引きしまるというか、CSで戦える感謝の気持ちを改めて感じていました」
この言葉にすべてがつまっている。
ブレックスのCS名物といえば、Bリーグ開幕前のプレーオフから続く黄色いアリーナである。
そのシーズンのCS初戦では、ブレックスアリーナの各席にTシャツが並べられる。来場者へ無料でプレゼントされるものだ。開場したばかりのタイミングでアリーナを訪れるファンはその光景に息を呑み、試合が始まるころにはTシャツを着たファンによって場内は黄色く染まる。

他チームはなぜ追随しない?
チームカラー一色に染まったアリーナのインパクトは絶大だが、いまのところ追随するチームは見当たらない。他の人気チームのトップからは、こんな話を聞いたこともある。
「うちはTシャツを配らなくても、多くの方がチームカラーを身につけてくださっていますから」
たしかに、全席にTシャツを並べるオペレーションのコストは膨大だ。当然、プレゼントするTシャツそのものだって安くはない。
しかし、ブレックスの選手編成の責任者であるGMと代表取締役社長を兼務してきた鎌田眞吾は、むしろそのコストを進んで負担してこそブレックスの存在意義が生まれると考えてきた。
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August 26, 2020 at 09:30AM
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ブレックスの“黄色いアリーナ”秘話。目先の黒字額より大切なものとは。(ミムラユウスケ) - Number Web - ナンバー
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