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福島第一「処理水」の海洋放出、月内にも決定へ…実施は2年後 - 読売新聞

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 東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含んだ「処理水」について、政府は海に放出する方針を固めた。月内にも正式に判断し、実施は2年後になる見通し。処理水は一定の水準まで薄めたうえで海に流すため、放射性物質の濃度は希釈されるが、漁業関係者は風評被害を懸念しており、政府は対策を講じる。

 処理水は福島第一原発の敷地内に保管されているが日々たまり続けており、2022年夏には貯蔵タンクの量が敷地の限界を迎えるとみられている。今夏にも対応を決める方針だったが、判断が遅れていた。

 海洋放出は、処理水に含まれる放射性物質トリチウムを国の基準値の40分の1まで海水で薄め、原発敷地内から福島沖に流す。放出は約30年にわたる見通しで、少しずつ流すことで海ではさらに濃度が下がるため、健康被害は想定されていない。しかし、漁業団体は風評被害のおそれがあるとして強く反対しており、政府は漁業関係者の支援に乗り出す方針だ。

 処分方法を巡っては、今年2月に政府の有識者会議が、「海洋放出」と、水蒸気にして空気中に放出する「大気放出」の2案を現実的な方法として提示した上で、「海洋放出の方がより確実」とした報告書をまとめた。

 国は周辺の自治体や農林水産業関係者などへの意見聴取を4月から始めた。15日も全国漁業協同組合連合会が梶山経済産業相と会談して「海洋放出に断固反対する」などと要請し、処分方法を慎重に決めるよう求めていた。

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