横浜市の林文子市長は15日の定例記者会見で、２０２１年の成人式をオンラインで開催するとしていた方針を撤回し、従来通り横浜アリーナ＝港北区＝などの会場を使って実施する考えを明らかにした。来年の成人式をめぐっては６日、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、会場に大勢の新成人が集まる開催方法を見直してオンラインで行うと市教委が発表したばかりだった。
市長は会見の中で、「（横浜市の成人式は）日本の中で最も多くの成人が集まる式典。６日に（オンラインで開催するという）方向性を発表したが、私としてはそれだけの大切なイベントであるから、積極的にやっていくべきだという判断に立ち、教育委員会に『やる方向で進めていただきたい』とお願いした」と述べ、会見当日に鯉渕信也教育長と話し合い、例年通りの方法で開催することを決断したことを明かした。
オンライン開催を発表した６日以降、市教委には１５０件近い意見が寄せられ、ほとんどがオンラインではなく会場での式典を望む新成人や保護者、着付けや美容事業者からの声だったという。中には「会場を増やしたり、複数の日程で開催してはどうか」という提案もあった。オンライン開催を見直すべきという意見は、林市長のもとにも届いたという。
｢違う判断だった｣
この時期に一旦はオンラインでの開催を表明したことについて、林市長は大勢の新成人で会場が密になることを懸念した点に加え、会場を使用する際は７月中に警備会社と契約を進める必要があったとし、発表は「ぎりぎりのタイミングだった」と説明。わずか９日で方針転換した経緯を記者に問われると、「成人式の中止は私も非常に残念に思っていた。６日に発表したことを変えることはあってはならないと思うが、違う判断だったと思うことは改めてもいいと思う」と自身の考えを示した。
複数日程案も
開催方法について、林市長は「しっかり感染症対策ができることが前提」とし、これまでのように午前と午後の２回に分けるだけでなく、▽横浜アリーナの予約状況を踏まえ、２日間にわたって行う▽パシフィコノース＝西区＝などの施設を使い分散開催する、などの案を挙げた。
市教委は「６日に発表したオンライン開催は安全面を考慮した苦渋の決断だった。皆さんの思い出に残る式典になるよう、詳細を調整していきたい」と話し、７月中には具体的な実施方針を示すとした。
横浜市の成人式は横浜アリーナで開催され、毎年およそ２万５千人が参加している。21年の新成人は約３万７千人。
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July 22, 2020 at 10:00PM
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